おしりとおなかのクリニック ふるかわ北安東クリニック

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)のすすめ

食べるとムカムカする、お腹がすくと痛くなる、胸焼けがする等の症状があり、胃が悪いのは分かっていても、胃カメラは大変なので受けたくない・・・??

 内視鏡とは、体の中を直接観察するための機械や方法です。昭和25年、日本で初めて胃カメラが発明されてから、日本の内視鏡は世界の最先端を走っています。現在、内視鏡で観察できる体の主な臓器は、胃の他にも、口からは喉、食道、十二指腸の上部消化管と気管・気管支の呼吸器、肛門からは直腸と結腸、その他に腹腔、耳鼻咽喉科、泌尿器科や婦人科でも内視鏡が使われます。数年前までは、ファイバースコープが主流でしたが、当クリニックではテレビの大画面で優れた画像が観察できる最新の電子内視鏡にて検査を行っております。
 以前から、胃の検査にはバリウムを飲むエックス線検査と内視鏡検査の2つの方法がありました。しかし、内視鏡が著しく高性能になったため、エックス線検査をしなくとも内視鏡検査だけで非常によくわかるようになりました。時々胃カメラや胃内視鏡検査は苦しいという人がいますが、最近の内視鏡の機械は細くて柔らかくなり(当クリニックでは、わずか直径8mm の細い内視鏡を使用しています)、検査の前に注射や喉の麻酔を充分にしますから、以前よりもとても楽に検査を受けていただくことができます。 ご希望の方には、寝ている間に検査を終了させることもできます。
 胃癌は、胃の一番内側(うちがわ)、つまり、粘膜層から発生し、初期段階では癌としての様相を示しません。その点、内視鏡なら胃の中を直接観察できますから、粘膜の色の変化やわずかな凹凸不整、びらん(ただれ)を発見することができます。また、胃の組織をごくわずかとって、顕微鏡で癌があるかどうかを確かめることができますから、早期胃癌の診断にはきわめて有効といえます。
 内視鏡は検査ばかりでなく、様々な治療もできます。例えば、間違えて魚の大きな骨や、入れ歯、子供がコインなどを飲んでしまった場合などは、まず内視鏡による摘出が行われます。また、生の魚を食べたあとに激しい腹痛を起こして運び込まれた患者様に内視鏡検査をしてみると、小さな回虫のようなアニサキスが胃の粘膜に食い込んでいることがしばしばあります。このような場合、内視鏡で容易に摘出でき、痛みはすぐに軽快します。胃や食道、十二指腸の種々の病気が原因で吐血した時にも、内視鏡による止血が行われます。
また、以前でしたら、胃癌と診断されれば、すべて外科手術が行われてきました。しかし現在では、発生初期の早期胃ガンは開腹手術を行わずに、内視鏡で高周波電流を使って切除したり、レーザー光線で完全に治療することができます。この点からも、いかに早期発見が大切かがおわかりいただけると思います。

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の検査と除菌

胃潰瘍の再発防止には、ピロリ菌の除菌が効果的だといわれています。

胃・十二指腸の病気とヘリコバクター

ヘリコバクター・ピロリ菌 消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)は従来胃の酸と胃粘膜の防御機構が天秤のようにつりあっているバランスがくずれるために発症すると考えられてきました。ところが1982年、胃の中に生息しているヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が発見されました。ピロリ菌に感染すると急性胃炎が発生し、慢性に持続することが知られています。胃潰瘍患者では65~80%、十二指腸潰瘍患者では90%にピロリ菌がいることが報告されています。また、除菌により潰瘍の再発を防止できることもわかってきました。
 また、ピロリ菌が胃癌の発生に深く関係していることは様々のデータから明らかになっています。ピロリ菌の感染で最も重要なのは、胃の粘膜が萎縮してしまい、それが更に進むと胃の粘膜の一部が腸の性質を持つ粘膜に変わり、そこからポリープやガンができやすいことが解かっています。
 ピロリ菌を除菌することは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を予防するばかりか、胃癌の予防にもつながります。

ピロリ菌の検査方法

1)胃カメラで胃粘膜の一部を採取して行う検査
迅速ウレアーゼテスト:
ピロリ菌が含むアンモニアを検知して感染の有無を確認する方法。20~30分ほどで結果がわかり、簡便で精度も高い本検査法が中心となっています。
培養法:
内視鏡で胃粘膜を採取し、それを培養し、菌の有無を診断します。除菌が成功か否かを判断するときに使われています。
組織鏡検法:
内視鏡で胃粘膜を採取し、染色し、顕微鏡で菌の有無を診断します。

2)その他の方法
尿素呼気試験:
診断薬を飲む前後の呼気中の二酸化炭素を測定する検査、胃カメラを行う必要がありません。
抗体検査:
血清および尿中のヘリコバクター・ピロリ菌の抗体を測定します。


.........この中から必要な検査を実施します


除菌は1週間で一気にたたく

 2種類の抗生物質と胃酸分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬の3剤を1日2回服用し、1週間続けます。集中的にたたくことで90%の患者さんは除菌に成功します。一度除菌されると、再発の可能性は2~3%と考えられています。抗生物質による、下痢、味覚異常などの副作用がありますが、ほとんどは軽症です。

保険適用になったピロリ菌の除菌治療

 ピロリ菌の除菌治療は平成12年の11月より保険診療の適用になりました。しかし、これは胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さんのみに適用されるもので、ピロリ菌に感染しているすべての方が対象となるわけではありません。しかしながら除菌することにより、ガンの予防にもつながるということは本当にすばらしいことです。「自分の健康は自分で守る」という観点で考えれば自費診療でも除菌を強くお勧めいたします。費用はそれほど高額ではありません。検査や薬代を含めても10,000円~15,000円程度で済みます。

除菌療法後のことについて

 除菌後の判定のための胃カメラ(内視鏡)検査を1-12ケ月後に受ける必要があります。また除菌後も維持療法を必要とする場合があります。

ご希望の方にはしおりを贈呈

胃潰瘍

ピロリ菌の除菌療法について、より詳しくお知りになりたい方にはしおりをお渡しします。外来でお申し付け下さい。

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