ジオン注(ALTA療法) - ぢの新しい治療法
ジオン注(ALTA療法)とは、痔を切らないで注射で治す、画期的な方法です。排便時に内痔核が飛び出す(脱肛)の治療法です。当クリニックでは、平成18年7月に施行して以来、年平均150件とかなり多くの方のジオン注(ALTA療法)を全例日帰りで行ってきました。
ALTA (ジオン注)療法について
ALTA療法は、内痔核に4ヶ所ほどジオンを注射します。注射した翌日には出血や脱肛が治まります。殆ど痛みを感じる事は無く、当日と翌日のみ休まれる事を勧めています。手術時間も7 ~ 10分程度です。その後、約2カ月で完治します。
現在はかなりの割合で、痔核根治術からこのジオン注 ALTA療法に変わってきました。ではどの様に内痔核に注射をするのでしょうか? 図の如く、1つの痔に対して、(1)痔核上側の粘膜下層、(2)痔核中央の粘膜下層、(3)痔核中央の粘膜固有層、(4)痔核下側の粘膜下層の4ヶ所にジオンを注入します。注入し、内痔核に無菌性の炎症を起こさせ、消失させます。
痛まないのでしょうか?
もともと、ジオンは痛みを感じない部分(内痔核)に注射するので、「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことはありません。
ジオンの成分について
ジオンの有効成分は出血や脱出を改善する硫酸アルミニウムカリウムとこの働きを調節するタンニン酸からできています。
硫酸アルミニウム
カリウム水和物 |
タンニン酸 |
有効成分の頭文字から
ALTA(アルタ)と
呼ばれます。
Aluminum Potassuim Sulfate Hydrate・Tannic Acid |
出血状況や脱出状況を
改善する |
硫酸アルミニウムカリウム水和物の働きを調節する |
実際の治療の手順は?
- 12時少し前に来院して頂きます。
- 13時より麻酔を開始します。
硬膜外麻酔を行い、疼痛を抑えた後、静脈麻酔で眠って頂きます。
- その後、ALTA療法を開始、殆どの方は知らないうちに終了しています。
- 処置後、2~3時間で目が覚め、帰宅します。
- その4~7日後に再受診して頂きます。
- 以降は2~3週毎に、約2ヵ月間通院が必要です。
ジオン注を投与するとどのようになるのでしょうか?
![ジオン注アルタ療法の投与後1](alta-02.jpg) |
投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、翌日には出血が止まり、脱出の程度も軽くなります。 |
![ジオン注アルタ療法の投与後2](alta-03.jpg) |
腫大していた痔核は次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織も元の位置に癒着・固定して、脱出がみられなくなります。
(1週間〜1ヶ月) |
その後、出血がみられなくなり、脱出や肛門のまわりの腫れがなくなります。
投与後の生活で注意することはなんでしょうか?
- 入浴について
●ジオン注(ALTA療法)治療の当日は入浴できませんが、翌日からは普通に入浴しても大丈夫です。
●当日シャワーを浴びることはかまいません。
- 食事について
●アルコール類は完治するまで飲まないでください(ノンアルコールも含む)。
●わさび、こしょう、とうがらし、カレー、コーヒーなどの刺激物は3週間程ひかえるようにしてください。
●脂っこい食事はしばらくひかえるようにしてください。
- 日常生活について
●仕事復帰は翌日から可能です。ただし、2週間ぐらいは重い物を持つなど、お尻に力の入ることは避けるようにしてください。
●自動車、オートバイ、自転車の運転は約1週間避けてください。
●椅子に座る場合は深く座り、1時間毎くらいに立つ、歩くなど、休憩をとるように心がけてください。
その他、ご不明な点・ご相談などございましたら、医師にお気軽にお問い合わせください。 |